私は2年前に癌を発症して、舌癌(扁平上皮癌)と診断されました。幸い早期発見でステージ1でしたが、当時36歳で子供は2人とも保育園児でしたのでとてもショックを受けました。その時の事を当時を思い出しながら書いていきます。
きっかけ
口内炎が半年くらいずっと治らない状態が続いていて、舌の側面に白い出来物が2〜3ミリの大きさでありました。30代半ばだったのでまさか自分が癌になるなんて思ってもいないので、病院なんて全然考えていませんし、まあそのうち治るだろうくらいの考えでした。
しかし、ある時、なんとなく妻に

口内炎が半年くらい全然治らないんだよね〜
と本当に軽く言ったら、妻が



それはちゃんと病院に行って診てもらった方がいいよ
と病院で受診するように言われたのですが、当時の私は大したことないと思っていたので忙しいのを理由に病院へ行くのを先延ばしにしていました。
すると、妻が近所の歯科医を勝手に予約し、強制的に受診させられることに・・・・
そして近所の歯科医で診てもらったところ、
「まあ白板症(口内炎みたいなもん)でしょうけど、念の為に大きい病院で検査してみてください」
とお医者さんに言われて、めんどくさいなあと思いながらも大きい病院の紹介状をもらい、検査することに。
生検をすることに!
後日、大きな病院の口腔外科を受診したら、そこでも
「うーん、まあ白板症だと思うけどとりあえず生検しときますか」
というお医者さんの提案で、組織を採取して検査することになりました。
なんだか、看護師さんの動きが慌ただしくなり、あれよあれよという間に台に寝かされて顔に布をかけられました。
組織を削って採取して検査する・・・簡単に考えていたけど・・・
- まず舌に麻酔を打たれます
- 舌の真ん中に何か針みたいなのぶっ刺されて舌を串刺しにされます(見えないけど超怖い)
- ぶっ刺された舌を引っ張って動かないように固定されます
- 舌の組織をガリガリ削られます
- 以上終わり
麻酔が効いているので痛くはないのですが、流石にびっくりしました。そして引っ張られた舌が痛い・・・
結果は1週間後に出るということだったのでとりあえずその日は帰宅
検査の結果を聞く!
一週間後に検査結果を聞きにいきました。ちょうど妻と休みが合ったので病院近くのお店で一緒にランチしてから病院へ。
妻も私もどうせなんともないんだろうということしか思っていませんでした。
病院に着き、私が診察に入ると先生が開口一番
「今日は誰か家族の方と来られていますか?」
・・・・は?このパターンって・・・
私は急に心臓のドキドキが激しくなりました。外にいた妻が呼ばれ、二人で結果を聞くことに。
先生は本当にいきなり、軽い感じで
「検査の結果、癌ですね」
「癌のある舌の一部を切除する手術をしますので入院してもらいます、いつにしますか、来週のこの日はどうでしょう?」
待て待て、いきなりそんなに言われても心の準備も何もできてないし、ちょっと考えさせてー!みたいな感じでした。
子供は小さいのにこれからどうするの?仕事は?死ぬの?
色々な気持ちと不安が襲ってきます。
とりあえず、仕事もあるし1日もらって日程とか調整することにしました。
セカンドオピニオンを受ける
癌と診断されてとりあえず保険の担当者に連絡しました。とっても親身になってくれる担当の方なので、癌になったこと、舌を最悪半分は切除する可能性があること、来週手術することを伝えると
「ちょっと待って、セカンドオピニオンを受けてください」と言われました。
舌を半分切られると食事や会話に障害が残る可能性があり、できることなら切除しない治療を探してみて、そこでセカンドオピニオンを受けるということを決めました。
すぐに、最先端の舌癌治療で有名な病院に予約を入れて検査結果などの資料を揃えました。幸いかかっていた病院もセカンドオピニオンを受けると言っても嫌な顔せず協力的でした。
医師の中にはセカンドオピニオンを受けたいと言うと、自分の診察や治療が気に入らないのかと怒る人もいるそうです、そういう医師からは逃げましょう!
セカンドオピニオンを受けた病院は放射線で、切らない治療をする病院でしたが私の場合、初期での発見だったので放射線治療のリスク等々考慮して、切除する範囲も極小で済むだろうし、そのほうが良いでしょうという診察でした。
その結果、元の病院で切除手術を受けることにしました。
舌の切除手術を受ける!
いよいよ舌の切除手術を受ける事になり、医師から説明を受けました。
癌の範囲によっては舌の半分を切除するかもしれない、その場合は足から皮膚を舌に移植して補完するかもしれない
リンパに転移している場合は首を切ってリンパを摘出する
いざ説明を受けると怖くなりました。でもやるしかありません。
手術台に乗り、麻酔を打たれて意識が遠のいて行く時は不安しかありませんでした。
次に目が覚めたのは病室のベッドでした。
とりあえず、舌はどうなったんだという事が気になりました。怖くて口を開けられませんでしたがとりあえず思ったほど痛くない、なんだか口の中もいつもどおりの感じがすると思いながら、恐る恐る口を開けて鏡で見てみました。
「あれ、舌ちゃんとあるじゃん」
舌の側面が少し削れて、縫合してあるだけでした。
そのうち、先生が病室を訪れ、説明してくれました。
- 舌は切除したが、癌の範囲が狭くて少し削った程度で済んだ
- リンパへの転移もなかった
- 1週間もすればご飯も食べられるし、普通に話せる
- 検査の結果、他の場所への転移等もなかった
本当に全身の力が抜けました。
手術後、現在に至る
手術後は1週間くらい入院していました。術後3日くらいはスープみたいな食事でしたがすぐに普通のご飯が食べられるようになりました。
退院してからは、話すのも以前と全く変わらずできますし、鏡で舌を見てもどこを切ったかわからないくらいです。本当に運が良かったと思います。
しかし、がん細胞が一部リンパ節にかかっていたことで、転移の可能性が少しあるというので術後1年は1月に一度、癌の転移がないか検査していました。
2年目は検査が2ヶ月に一回に減りました。
私の場合、転移や再発のリスクは低いという診断ですが、それでも術後5年間は定期的に検査を受けなくてはなりません。
癌の転移がないかしっかり検査してもらえるので、ある意味安心ですね!
原因について
私はタバコも酒も一切やりませんので原因についてはなかなか特定しにくいみたいですが、考えられるとすると
変な方向に生えている奥歯が舌にずっと当たっていてそこに口内炎ができたり治ったりを繰り返していて、そこが癌になったので、歯が舌に当たって刺激を与え続けていたのが原因じゃないかという感じです。
もちろんその歯は後日抜歯しました。
まとめ
まず、健康第一ですので何かおかしいと思ったら、面倒臭がらずに病院にいきましょう。
普段健康な人ほど病院に行きたがらない(私がそうでした)ので周りの人が、引っ張ってでも連れて行くこと
特に癌は若いほど進行が早く、もう少し早く病院に言っていれば・・という事がとっても多いみたいです。
そして、大きな病気にかかったらセカンドオピニオンを受けましょう。今の治療でいいのか、もっといい治療はないのか、医師を信用しすぎるのは危険です。
セカンドオピニオンを受けて、元の治療方針で良かったとしても納得して治療を受けられるという点ではいいと思います。
後で、もっといい治療があったのに、とか後悔をしないようにしてください。病気を宣告された時は心も落ち込んで行動を起こす気持ちも無くなりますが、そこは踏ん張ってください!
それから、医師の先生には納得のいくまで説明してもらいましょう。先生の中には適当な人もいるので不安や疑問があればきちんと聞くようにしてください。私は診断書の内容が適当だったので保険を申請するときに困り、保険担当の方にアドバイスをもらって、診断書を書き直してもらいました(怒)
以上が私が癌になった時の経験談です、今は検査の間隔も半年に一度になり、普通に生活していますし、本当に癌だったっけ?というくらいの感じになっています。私の経験が誰かの役に立てれば嬉しいです。
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